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Nagoya Castle Immersive Exploration
- 名古屋市名古屋城研究センター
- キヤノン株式会社

About
名古屋市 名古屋城調査研究センター様およびキヤノン株式会社と共同で、Apple Vision Pro向けイマーシブコンテンツ「Nagoya Castle Immersive Exploration」を制作しました。MESONが開発する没入型ショールームソリューション「Immersive Showroom」をベースに、名古屋城の3Dモデルや歴史資料と、キヤノンのEOS VRシステムで撮影した実写映像を融合させた体験です。
本コンテンツは、関ヶ原の戦いから築城の背景、石垣や天守閣の構造まで、名古屋城の物語をナレーションとともに立体的に学べる構成となっており、XR分野の専門カンファレンス「XR Kaigi 2025」のキヤノン株式会社ブースにて展示されました。
来場者はApple Vision Proを装着し、関ヶ原合戦図屏風や歴史資料に囲まれながら、清正石・石垣の刻印・天守閣といったスポットを巡るストーリーを体験します。3DCGによる俯瞰視点とEOS VRによる没入映像を切り替えることで、全体像とディテールを一度に理解できるイマーシブな遺跡体験を目指しました。
※本プロダクトは旧称「Immersive Pitch」から名称を刷新し、現在は「Immersive Showroom」として展開しています。
■Immersive Showroomとは
Immersive Showroomは、2D・3Dオブジェクトやイマーシブ映像を組み合わせ、伝えたい内容を「体験」として提示できるApple Vision Pro向けの空間体験プラットフォームです。
▼主な特徴
- 理解+共感の深化:高い没入感を活かし、内容理解に加えて背景・意図・価値への納得感や共感を深められる
- シンプルなUX:アイトラッキングやハンドトラッキングの設定は不要。iPad/iPhoneと連携することで、外部から簡単に操作できる
- 複数人での同時体験:最大7名が同じコンテンツを同時に体験可能
商談や展示の場での理解・共感の促進に加えて、教育・研究展示など、幅広いシーンでの活用を想定しています。
Execution
体験はタイトル画面からスタートし、まずは関ヶ原の戦いと徳川家康による築城の経緯を、関ヶ原合戦図屏風(模本)などの歴史資料を円環状に表示しながら紹介します。その後、古地図の上に配置された天守閣の3Dモデルと動画サムネイルから、各スポットに誘導されるシーケンスを設計しました。
各スポットでは、EOS VRで撮影した半球型のイマーシブ映像と3Dモデルを組み合わせ、現地のスケール感や質感を伴った視覚体験を提供します。例えば、名古屋城内で最大の巨石「清正石」が組み込まれた石垣や、石垣に刻まれた多様な刻印など、現地でないと気づきにくいディテールを、ナレーションとともに伝える構成としました。
終盤では、戦災と再建の歴史を紹介しながら天守閣のイマーシブ映像を再生し、その後大きく表示された天守閣3Dモデルがゆっくりと回転することで、名古屋城が「特別史跡」として現在に受け継がれている姿を印象的に締めくくります。
また、本コンテンツはImmersive Showroomをベースに制作されており、アテンダー用の1台のiPad・iPhoneで複数台のApple Vision Proを一括操作できるようになっております。 加えて、UI上で「大人向け」「子ども向け」「英語版」のナレーションを切り替えつつチャプター操作ができるほか、Restボタンひとつでタイトルと言語選択画面に戻すことができるため、来場者属性や回転数に応じた柔軟なオペレーションが可能になっています。
Background
名古屋城調査研究センター様では、名古屋城の石垣や建造物といった文化財の価値を、来場者に分かりやすく伝えることが課題となっていました。特に、高く積み上げられた石垣や立体的に刻まれた石垣の刻印など写真やパネルでは伝わりにくい情報を、より体感的に理解してもらう手段が求められていました。
一方で、キヤノン株式会社様およびMESONは、Immersive Showroomによる3DCG空間とEOS VR実写映像を組み合わせた新しいコンテンツ展示の可能性を検証しており、こうした両者のニーズと検討テーマが合致したことで、名古屋城の遺跡コンテンツを題材とした実験的なイマーシブ展示を共同開発することになりました。
Next Step
本プロジェクトで制作したコンテンツは、XRkaigiでの展示にとどまらず、今後の検証やプロモーションにも活用できる構成としており、本取り組みで得られた「遺跡コンテンツ × 実写VR × 3DCGショールーム」の知見は、Immersive Showroomの汎用モジュールとして還元し、美術館・企業ショールーム・観光施設など、実物展示だけでは伝えきれない空間価値を補完するテンプレートとして展開していく予定です。デジタルならではの更新性・横展開性・サステナビリティを活かしながら、文化財の保存と利活用を両立させるXR展示のあり方を、今後もパートナー企業や自治体の皆様と共に探求してまいります。
Credit
- Producer
- Yuki Kobayashi
- Director
- Kazuaki Saito
- Designer
- Hiroyuki Sakamoto
- Engineer
- Kenji Tanaka